Hitoshi GOMI's webpage

日記

研究の役に立つか立たないかは別として何を書いても良い領域としてページを作りました。 日記というよりも雑記...? 3日坊主になる可能性は非常に高いです。 あと、書き殴っているので、式変形とか間違ってるところが沢山あると予想されます。 そもそも考え方が根本的に間違っている可能性も。

2023年

2月18日 食品サンプル

石川台にある昔ながらの定食屋さんが、2023年1月末をもって閉店してしまいました。 いつもからあげ定食を食べていたのですが、残念です。

閉店に伴って、お店で使っていた物を無料で配布していました。

その中でとりわけ目を引いたのが食品サンプルです。

クオリティが高いのでちょっと欲しかったのですが、貰って帰っても持て余してしまうのが目に見えているので諦めました…。

1月19日 東京科学大学(仮)

東工大が医科歯科大と合併して新しい大学になるという事ですが、その大学の(仮)名称が東京科学大学になることが発表されました。 出典: 新大学名称を「東京科学大学(仮称)」として大学設置・学校法人審議会への提出を決定

英語名称は Institute of Science Tokyo との事で、略称は日本語の略称が「科学大」で、英語表記に関しては調整中との事。 英語の略称を素直に考えれば IST になるのかな???と思ったわけですが、どうやら ist.ac.jp ドメインが、すでに中央スポーツ医療専門学校に取得されちゃってるみたいですね。 それが原因で調整中なのかは分かりませんが…

1月10日 Strukturbericht designation

結晶構造をB2構造とか呼ぶときの、呼び方を Strukturbericht designation という事を初めて知りました。 参考: 結晶構造の分類と表記法

2022年

2022年の主な出来事

12月26日 二重拡散対流

研究室で、二重拡散対流の話題がでたので…。 対流は、地球科学的には、液体の海やマグマ、外核、気体の大気は当然ながら、とても長い時間をかければ固体のマントルでも起こります。 二重拡散対流は、おもに海洋の話で出てくるのですが、私たち高圧地球科学分野では外核の話で出てくることがあります(あと、マグマの話でも…。固体マントルは…知らない…)。

固体内核では対流は起こるの?という疑問もあると思います。 これは重要な問題で、起こると考える人も起こらないと考える人もいます。 私個人は、内核で対流を起こすのは、かなり難しいと思っています(参考: Gomi and Hirose (2015))。

そもそも対流とは、液体とかの混ぜやすいもので「上に重いものがあり、下に軽いものがあると重力で勝手に混ざる」というやつです。 逆に言えば「上に軽いものがあり、下に重いものがある」という状況では、(普通の)対流は起こりません。

これに対して、二重拡散対流は「上に軽いものがあり、下に重いものがある」という状況で起こる対流(のような現象)です。

もう少し詳しく書くと二重拡散対流は、以下のようなときにおこります。

  • 2つの異なる拡散係数を持つ「密度に影響を与える何か」が存在する
  • 一方が対流を起こすトレンド(上を重く、下を軽くする効果)を持ち、もう片方が逆のトレンドを持つ
  • トータルでは「上が軽く(低密度)、下が重い(高密度)」

「密度に影響を与える何か」というのは、化学組成(海洋の場合は塩分濃度、外核の場合は軽元素濃度)や温度の違いです。 外核では、軽元素の量が多いほど、また、温度が高いほど、密度が低くなります。

なお外核が Fe-Si-O みたいな三成分系の場合は、温度、シリコンの拡散、酸素の拡散の三つで二重拡散対流ならぬ三重拡散対流という事になりますね。

温度と化学組成の場合、常識的に言えば物質が移動する化学拡散の方が、温度が均質化する熱伝導に比べて遅い物理現象です。 これは化学組成の違いが、塩分濃度の違い(海洋)のときも軽元素の濃度の違い(外核)のときでも同じです。

なぜ化学拡散率と熱拡散率の違いが二重拡散対流を生み出すのかの詳しい説明は以下のような文献にお任せするとして…

二重拡散対流が地球の外核で起こっている可能性について触れます。 Gomi et al. (2013)では、外核の熱伝導度(熱拡散率)が非常に高いので、外核の上部では「トータルでは対流が起こらない」状態になっていると主張しています。

Gomi et al. (2013)

これは拡散の速い熱的に成層していて、拡散の遅い軽元素的に対流を起こそうとしている状況なので、フィンガー型の二重拡散対流が起こる可能性があります。

地球深部の研究をしてる私たちには、そもそも二重拡散対流という物理現象に詳しくないのですが、論文の中では詳しい説明もなく唐突に出てくることがるのでびっくりします。 外核が対流できるか成層してしまうかを議論する場合、熱的な浮力と組成的な浮力を一緒くたにして計算を行う場合が多いです。 また、ダイナモシミュレーションとかでも計算できるはずですが、拡散係数が大きく異なる物理現象を扱う場合、計算の時間ステップを(速い方に合わせて)細かくしなければならないのと同時に、(遅い方に合わせて)長時間のシミュレーションを行わなければならなくなるので、大変なことになります。

…というのが私の理解なんですが、あってますかね?

12月25日 Ubuntu に Scilab をインストール

今日は Ubuntu に Scilab をインストールしました。 apt でもとれるみたいですが、管理者権限が必要なのも鬱陶しいので。

Scilabのウエブページにアクセス https://www.scilab.org 。 最新版のダウンロードページ https://www.scilab.org/download/scilab-6.1.1 などへ移動。 GNU/Linux と書かれているところの tar.gz のアドレスをコピーして、コマンドラインから wget する。

wget https://oos.eu-west-2.outscale.com/scilab-releases/6.1.1/scilab-6.1.1.bin.linux-x86_64.tar.gz

次に解凍

tar xzvf scilab-6.1.1.bin.linux-x86_64.tar.gz

インストールディレクトリに移動して実行。

cd scilab-6.1.1/bin
./scilab

で大丈夫なはずですが、なんか足りないものがあると怒られました。

sudo apt install libtinfo5

結局、管理者権限が要るんかい!

12月13-15日 高圧討論会

第63回高圧討論会に参加しました。

高圧討論会の看板

12月9日 fcc FeHxの論文のプレプリント

fcc FeHxのプレプリントがAmerican Mineralogist の Papers in Pressのページで公開されました。 プレプリントへの直接的なリンクは http://www.minsocam.org/msa/ammin/AM_Preprints/8452GomiPreprint.pdf です。 doiを通じたリンク doi: 10.2138/am-2022-8452 は、現在はプレプリントに繋がりますが、将来的には出版バージョンへのリンクになるはずです。

この原稿は、今年の1月に最初の投稿を行ったものですが、アクセプトまで非常に時間がかかりました。 なんとかアクセプトにこぎつける事が出来て良かったです。

8月16日 大岡山キャンパス停電復帰

東京工業大学で、夏季恒例の夏季停電がありました。 あらかじめシャットダウンしておいたPCクラスタの再起動を本日行いました。

再起動後のテスト計算としてAkaiKKR BBSに投稿されていたProblem in goの計算をしました。

Dear professor
I want to calculate the energy of FeCoZr0.7Nb0.3. I use the input as follow, and the error appear only the a=11.1 and a=11.2. When a=11.0 and a=11.3, the project operated normally. The error is as follows:

***err in fczero...root finding fails
go data/11.1
fcc 11.1 1.0 1.0 90.0 90.0 90.0
0.001 1.5 nrl vwn mag
init update h 90000 0.015
2
FeCo 2 0 0 3 26 50.0
27 50.0
ZrNb 2 0 0 3 40 70.0
41 30.0
2
0.000000a 0.000000b 0.000000c ZrNb
0.625000a 0.625000b 0.625000c FeCo

Thank you for your help!

BBSに書いた点を除いても maxitr がやたら大きいとか lmax = 3 とか bzqlty = h とか reltyp = nrl とかもなんとなく気になりますね。 たぶんどれも本質的ではないとは思いますが、不必要に計算が重くなる設定は、少なくともテスト計算の段階では避けた方がいいと思ってます。

maxitr = 200 ぐらいにしても収束しない、あるいは、収束しそうな雰囲気がない場合は、それ以上大きくしても、多くの場合改善しない気がしています。 たまに滅茶苦茶大きくすると収束することもあるのですが、そういう解は変なことが多い気がします…。

lmax = 2 で十分な計算を lmax = 3 にすると途端に計算が重くなります。 もちろん必要なら、やらざるを得ないわけですが…。

bzqlty も、少なくともテスト計算の間は小さめにしておく方が、計算が速く終わるので好みです。 確かに低い bzqlty よりも、高い bzqlty の方が収束しやすくなるとは、先生方から伺っていますが…。

逆に reltyp は、非相対論の nrl もスカラー相対論の sra も計算速度がほとんど変わらないので sra にしておいた方がお得な気がします。 スピン軌道相互作用を入れると途端に遅くなるので、こっちはテスト計算にはお勧めしません。

というわけで、私なら以下のような感じにします。

c------------------------------------------------------------
    go   data/Fe50Co50Zr70Nb30
c------------------------------------------------------------
c   brvtyp     a        c/a   b/a   alpha   beta   gamma
    fcc        11.1  ,        ,      ,      ,       ,      ,
c------------------------------------------------------------
c   edelt    ewidth    reltyp   sdftyp   magtyp   record
    0.001     0.9       sra      vwn      mag      2nd
c------------------------------------------------------------
c   outtyp    bzqlty   maxitr   pmix
    update     4        200    0.02
c------------------------------------------------------------
c    ntyp
     2
c------------------------------------------------------------
c   type    ncmp    rmt    field   mxl  anclr   conc
    FeCo     2       0      0.0     2     26     50
                                          27     50
    ZrNb     2       0      0.0     2     40     70
                                          41     30
c------------------------------------------------------------
c   natm
     2
c------------------------------------------------------------
c   atmicx(in the unit of a)     atmtyp
     0.0a      0.0b       0.0c     ZrNb
     5/8a      5/8b       5/8c     FeCo
c
c------ The following types of inputs and their combination
c       are also allowed.   
c------ In those cases a, b, b mean primitive unit vectors
c       and x, y, z mean conventionnal cell vectors along
c       x, y, and z axses. Bare numbers indicate cartesian
c       coordinate in the unit of lattice constant a.
c    1/2       1/2        1/2      Fe
c    0a        0b         0c       Fe
c    0x        0y         0z       Fe
c    1/2a      1/2b       1/2c     Fe
c------------------------------------------------------------

4月9日 浅草散歩

廣瀬研に外国人研究者の Suyu FU さんが着任されたという事で、(コロナ状況下を考慮して)少数精鋭で浅草に連れて行きました。 ルートは「浅草寺」→「人力車」→「スカイツリー」という物です。

かく言う私も初めて浅草に行きました。 とても楽しかったです。 (最後の方で経路が荒ぶっているのは、スマホの充電が切れかかったからだと思います…)。

3月29日 計算機設置

梱包されていた計算機を開封して、メタルラックに並べました。

トラブルがあった時に色々といじらないといけないのは計算機の背面側なので、そちら側が表になるように置きました。 こういう置き方するのって、あまり見ないですが、特に問題とか無いですよね…「PC 置き方 向き」でググっても、縦置きと横置きの違いの話はヒットしましたが。

なお電源ボタンは裏面になるので、停電対応の時などは、狭い隙間にぬるっと入ってボタンを押す必要があります。

3月27日 計算機移動

梱包した計算機をELSI-1(石川台7号館)へ移動して頂きました。

次は梱包を解いて設置です!

3月18日 計算機梱包

ELSI-2(石川台8号館)に設置してあった計算機をELSI-1(石川台7号館)へ移動するためにシャットダウンし、梱包しました。 手伝ってくれた太田研の長屋くん、ありがとうございました。

3月13日 池上本門寺

なんかtwitterに日蓮の漫画が流れてきました。 「は~ん」と思いながら読んでいたのですが、なんか日蓮に由来のあるお寺が近所にあるという事でポケモンGOのついでに行ってみました。

梅も咲いていて散歩に丁度良かったです。明らかに裏口から入ってしまいましたが…。

3月9日 実験室片付け

長年(?)お世話になった地球生命研究所のB02実験室の片付けを行いました。


片づけられたB02実験室

片付けが終わると少ししんみりしてしまいました…。

3月7日 メモリ使用量

第一原理計算などでどの程度のメモリを使っているのかのログを取りたいと思ったのでfreeコマンドを1秒ごとに実行してログを取るcshスクリプトを書きました。 sleepコマンドで5秒待機している部分で、実際には重い計算をさせます。

#!/bin/csh -f

## *** メモリ使用量(MB) ***
free -m -s 1 > memory.tmp &
## free コマンドの PID を保存
set PID_FREE=$!

## *** 5秒待機 ***
sleep 5

## *** freeコマンドを終了 ***
kill -9 ${PID_FREE}

## *** メモリ部分を読み出し ***
grep -a "Mem:" memory.tmp | awk '{print $3}' > memory.log

exit

やっていることはfreeコマンドで1秒ごとにメモリ使用量を調べてmemory.tmpに保存を繰り返す処理をバックグラウンドで実行。 その際にPIDを保存しておく。 重い処理が終わったらfreeコマンドを終了しgrepで必要な部分だけ抜き出しています。

動いているので正しいとは思いますが、もうちょっとうまい手法があるような気もします…。

3月5日 物性合宿

廣瀬研・太田研のうち物性の研究をしている選抜メンバーでゼミ合宿を行いました。 本来なら研究室総出で行うはずの研究ゼミですが、コロナ対策のため人数を絞る事になったのは残念でしたが、有意義な議論が行えました。


華厳の滝の隣にある柱状節理

巡検も行いました。 写真は、華厳の滝の展望台から観察できる立派な柱状節理です。 滝そのものよりもこちらの方がテンション上がります。

2月28日 基盤C採択

科研費の基盤研究(C)に申請していた研究課題が採択されました。

2月27日 田川くんとの共著論文がアクセプト

田川くんとの共著論文であるHigh-temperature equation of state of FeH: Implications for hydrogen in Earth's inner coreがGRLにアクセプトされました。 FeHx合金では、その水素濃度 x を推定するために、水素濃度と体積の関係を用いることが多いです。この論文では、FeHが磁気モーメントを持たない場合には、水素が合金化する事によって増加する体積 ΔVH が圧力だけでなく、温度にも依存することを実験的に示しています。 私は、第一原理計算のパートを担当し、FeHが磁気モーメントを持たなくなる条件を制約しました。

2月15日 シェルスクリプトで実数(小数)の比較

シェルスクリプトでは、整数の比較が可能ですが、実数(小数)の比較ができません。 代わりにbcコマンドを使います。 bashで小数点を比較する方法には以下の様なbashスクリプトが紹介されています。

#!/bin/bash

A=0.1
B=0.2

if [ `echo "$A > $B" | bc` == 1 ]; then
    echo "A > B"
else
    echo "A <= B"
fi

これをcshスクリプトにすると以下のようになります。

#!/bin/csh -f

set A=0.1
set B=0.2

if ( `echo "${A} > ${B}" | bc` == 1 ) then
  echo "A > B"
else
  echo "A <= B"
endif

2021年

2021年の主な出来事

12月29日 猫カフェ

人生で初めての猫カフェに行ってきたにゃん!

12月11日 サンバル&粉山椒の担々麵

たんやの期間限定メニューのサンバル&粉山椒の担々麵を食べました。

写真左下のふた山が、サンバルとトマトサンバル、右上の方に漂っている黒いのが粉山椒です。 これらを溶かさずにスープを飲んでみると、普通の担々麺でしたが、サンバルをスープに溶かすと辛味に加えて独特の旨みが出てきます。 たんやの担々麵は、そんなに辛くないイメージですが、今回のはかなり辛かったです。

12月8日 cif2cellを管理者権限なしでインストールする

cif2cellをELSIの計算機にインストールしました。 cif2cellことはじめに書かれているとおりですが…。

とにかくcif2cellのダウンロードサイトからcif2cell-1.2.10.tar.gzをダウンロードしてきて、ホームディレクトリに置いてあるとします。 (以下、グレーの背景が端末上で実行する部分、ベージュの背景がテキストエディタで編集する部分)

cd ~
mkdir sources
mkdir opt
mkdir opt/PyCifRW-3.3
tar xzvf cif2cell-1.2.10.tar.gz
cp cif2cell-1.2.10 ~/sources/
cd ~/sources/cif2cell-1.2.10/
tar xzvf PyCifRW-3.3.tar.gz
emacs -nw ~/.bashrc

~/.bashrc に以下を追記します。

## cif2cell
export PYTHONPATH=$HOME/opt/PyCifRW-3.3/lib64/python2.6/site-packages:$PYTHONPATH
export PYTHONPATH=$HOME/opt/cif2cell-1.2.10/lib/python2.6/site-packages:$PYTHONPATH
export PATH=$PATH:$HOME/opt/cif2cell-1.2.10/bin
alias cif2cell='python2 ~/opt/cif2cell-1.2.10/bin/cif2cell'

cif2cellことはじめpythonのバージョンが2.7で、うちの環境は2.6だったのでディレクトリ名が少し異なっています。 この辺はぐちゃぐちゃやり過ぎたので良く分からない…

インストールはインテル機の方で行ったのですが、AMD機の方で実行すると/usr/bin/pythonが無いとか怒られるみたいなのでaliaspython2cif2cellのフルパスを渡すようにしました。 aliasなのでシェルスクリプトから呼び出すときは、めんどくさいですがpython2 ~/opt/cif2cell-1.2.10/bin/cif2cellと全部書く必要があります。 まあどうせコピペですしたいした手間じゃないかな…。

しかる後に

source ~/.bashrc
cd ~/sources/cif2cell-1.2.10/PyCifRW-3.3
python setup.py install --prefix=~/opt/PyCifRW-3.3
cd ~/sources/cif2cell-1.2.10
python setup.py install --prefix=~/opt/cif2cell-1.2.10

後は端末に cif2cell -h とか打ってヘルプが表示されてればインストール成功のハズ…。

12月3日 単位と印象

FeHxの論文を読んでいると、水素の量が質量パーセント(wt.%)で書いてあるやつと、化学式の中のx (0 ≦ x ≦ 1)で書かれているやつがあります。 x = 1, つまり鉄の格子間サイトが全部水素で埋まっている FeH の水素の濃度を質量パーセントで書くと 1.77 wt.%H という事になります。 しかし 1.77 % って言われるとほんの少ししか入っていないような気がするのは注意が必要だなと思いました。 含水鉱物の研究なんかも同じなんでしょうけど…

11月27日 ELSIのVT clusterにecaljをインストール

ELSIには共用の計算機があります。 ELSI Super ComputerによるとVTクラスターの構成は以下の通り。

    VT Cluster:
  • pfs00-15, 16 nodes (256 cores) IvyBridge Cluster. Parallel computing by OpenMP/MPI (vendor: Visual Technology, Inc.)
  • Two nodes (pfs16-17; Haswell core Xeon CPUs) are added (Apr. 2015).
  • pfs18-19 were added (Sep. 2019); AMD Ryzen Threadripper 2990X (32 cores/CPU, 3.0 GHz base clock)
  • pfs20-23 were added (Jan. 2020); AMD Ryzen Threadripper 3970X (32 cores/CPU, 3.7 GHz base clock)
  • pfs24 was added (Sep. 2020) but is not running because of cooling problems
  • pfs25-26 were added (Mar. 2021); AMD EPYC 7752 (48 cores/CPU, 2 CPUs per node, 2.2 GHz base clock)

pfs00がログインノード、pfs01-15はインテルCPUのマシンで、pfs18-26はAMD Threadripperマシン。 で、インテルの方とAMDの方でライブラリとかのディレクトリ構成も違うっぽい(?)です。 これら両方でecaljを使えるようにするのに手こずっていたのですが、なんか動くようになったっぽい(?)ので備忘録としてメモします。

手こずっていた理由は、大まかに2点あって

  • 管理者権限やgitがない
  • ライブラリの場所がpfs01-15(インテルマシン)とpfs18-26(AMDマシン)で違う
という事でした。

gitや管理者権限無しでecaljをインストール

gitと管理者権限を持っている場合はecaljのインストール(Ubuntu + gfortran)に従ってインストールします。 共用の計算機でこれらがない場合は、これらを手動でインストールする必要があります。 特に makefile の中の MATH で指定されているライブラリ(BLAS, LAPACK, FFTW)が計算機にあるかどうかが問題です。 理屈の上では、これらを全てのソースコードをダウンロードして、自分でコンパイルすることができるはずですが、私にはよく分かりませんでした。 なので、これらのライブラリに関しては、計算機の管理者の方にお願いして入れてもらうのがいいと思います。 幸いにしてELSIのpfs01-15には、探せばありました。

もうちょっとちゃんと言うとroot権限がないときのpython・numpy・scipyのソースからのインストール on Linuxなどを読むとBLASの方の libfblas.so は作れました。 しかし、LAPACKの方は .so ファイルが作れず、なんかググっても「難しいよね~」みたいなのばかりヒットしてよく分かりませんでした…

まずローカルのPCでecalj の GitHubからZIPファイルをダウンロードしてきます。 [Code] → [Download ZIP] です。 これをサーバーのホームディレクトリなどにscpクライアント(WinSCPとか)で転送します。 これを展開して、インストールスクリプトを走らせます。

unzip ecalj-master.zip
mv ecalj-master/ ecalj
cd ecalj/
./InstallAll.gfortran

これで上手くいけば万々歳なのですが、大抵ライブラリがないと怒られます。 今回の場合、最終的に以下の3つの面倒を見てやる必要がありました。

  • libudev.so.0
  • liblapack.so.3
  • libblas.so.3

まず libudev.so.0 の探し方。

whereis libudev.so.0

とすると

libudev.so: /lib64/libudev.so.0 /usr/lib64/libudev.so

にあると教えてくれました。 ググるLD_LIBRARY_PATH の通っているところに libudev.so.0 を置く必要があるっぽいことが分かりました。 とりあえず ~/ecalj/ に置いてしまって ~/.bashrc で環境変数の設定をしました。

emacs -nw ~/.bashrc

そして ~/.bashrc に以下を追記します。

export LD_LIBRARY_PATH=$HOME/ecalj:$LD_LIBRARY_PATH

~/.bashrc を編集したら source で反映させます。

source ~/.basrhc

つぎにLAPACKとBLASの設定をします。 これは ecaljのインストール(Ubuntu + gfortran) に書いてあるのと同じことです。 まず liblapack.so.3libblas.so.3 の場所を探します。

whereis libblas.so.3
whereis liblapack.so.3

今回の場合、それぞれ /usr/lib64/libblas.so.3/usr/lib64/liblapack.so.3 に見つかりました。 見つかった場所を InstallAll.gfortranMATH に設定します。

emacs -nw InstallAll.gfortran
MATH='/usr/lib64/libblas.so.3 /usr/lib64/liblapack.so.3 /usr/lib64/libfftw3.so.3'

私の環境は、ここまででエラーが出なくなりました。 そこで端末でインストールスクリプト InstallAll.gfortran を実行します。

./InstallAll.gfortran
---

以下、私の環境でやった事まとめ。 色々なファイルの置き場所は、環境によって異なる場合があるので上に書いた方法で上手に探す必要があります。 無ければ…計算機の管理者の方に聞くしかない…。

cd ~
unzip ecalj-master.zip
mv ecalj-master/ ecalj
cp /lib64/libudev.so.0 ~/ecalj/
emacs -nw ~/.bashrc

~/.bashrc に以下を追記

export LD_LIBRARY_PATH=$HOME/ecalj:$LD_LIBRARY_PATH
source ~/.bashrc
cd ~/ecalj/
emacs -nw InstallAll.gfortran

InstallAll.gfortranMATH を以下のように編集

MATH='/usr/lib64/libblas.so.3 /usr/lib64/liblapack.so.3 /usr/lib64/libfftw3.so.3'

あとはインストールスクリプトを走らせるだけ…

./InstallAll.gfortran

11月25日 第1回「富岳」を用いたLAMMPS入門講習会 (ハンズオン)

スーパーコンピュータ「富岳」上で、古典分子動力学ソフトウエア「LAMMPS」を実行するハンズオンに参加しました。

上記の動画はLAMMPSを用いて行った結晶の融解シミュレーションです。

11月16日 ナニコレ珍百景

テレビ朝日のナニコレ珍百景でSPring-8が放送されたそうです。 11月21日(日)18:00までインターネット上で配信が見られるとの事です。

11月10日 防災訓練

東工大で防災訓練が行われました。 コロナ禍で密を避けるために、実際に避難を行う人数が絞られていましたが、ラボマネージャーの私は避難訓練に参加する側でした。 避難を行うとともにELSI-1の消火器の場所を確認しました。

10月31日 衆議院議員選挙

投票のために投票所になっている小学校に行きました。 7月にも投票で行ったはずなのですが、道に迷って中学校についてしまいました。 素直に Google 先生に聞けばよかった…。

小学校の校庭には飼育小屋があり、覗いてみると中でウサギが飼われていました。 かわいかったです。

10月22日 冬

高圧討論会の前までは普通に夏と言ってよいほど暑かったのですが、急激に寒くなり最早冬と言っても差し支えない感じになっています。 皆さま、気温の変化で体調を崩されませんように。

10月18-20日 高圧討論会

第62回高圧討論会に参加してきました。

コロナ禍のせいで長らく学会の現地開催が出来ない日々が続いていましたが、今回はオンラインと現地開催のハイブリッドでした。 会場は兵庫県姫路市のアクリエひめじでした。 なんでも2021年9月にオープンしたばかりのコンベンションという事で、とてもきれいな建物でした。

今回は、シンポジウム枠として「高圧科学と水素」というセッションがありました。 水素が地球の核の軽元素候補のひとつなので、地球科学的にも重要なテーマです。 そのせいか、以前私が書いたGomi et al. (2018 AM) "The effects of ferromagnetism and interstitial hydrogen on the equation of states of hcp and dhcp FeHx: Implications for the Earth's inner core age"の論文の宣伝も出来ました(プレプリント(PDF)はコチラ)。

Increase of volume of metal-hydrogen alloys as functions of hydrogen content, x. (b) FeHx alloys at 20 GPa. Green solid line with circle indicates FeHx of stable phase, whereas purple broken line represents FeHx in non-magnetic state.

Gomi et al. (2018)

鉄水素合金中の水素濃度は、水素量$x$と単位水素あたりの体積膨張$\Delta V_{H}$に直線関係があると仮定して \[ x = \frac{V_{FeH_x}- V_{Fe}}{\Delta V_H} \] の式から見積もられることが多いです。 しかしながら、Gomi et al. (2018)では、上の図のように強磁性・非磁性転移をまたぐと体積変化が不連続になるため、正しく水素濃度を求める事が出来なくなる、という事を計算から予想しました。 有限温度でどうなるかを予想するのはなかなか難しいのですが、少なくとも絶対零度ではこうなるはずで、計算の論文でありながら実験を専門にしている方に読んで欲しい論文なのですが、なかなか認知されていないようです…。

さて、今回の私の発表は「内核の不純物抵抗」というタイトルで、上記の鉄水素の体積変化とはあまり関係ありません。 現地とオンラインのハイブリッドという事で、現地発表の口頭発表でも、自分のノートパソコンでzoomに接続して、zoom上の発表を運営のパソコンでスクリーンに映し出すという形式でした。 よって、発表者のパソコンはインターネット接続が必要なのですが、発表中にWi-Fiの接続が切れてしまい、1分ぐらい時間をロスしてしまいました。 おかげで発表の後半が早口になってしまい。申し訳なかったです。

学会の前後の移動日には、姫路城を見に行くことができました。 正直な話、姫路城を見に行く前は「どうせ壁が白いだけの城だろ~」と甘く見ていたのですが、壁が白い城というのは、それだけで凄くきれいでした!

それから、姫路城の入場券を買う際に好古園なる日本庭園の入場券もセットで購入することを勧められました。 姫路城から少し離れたところにあるのですが、これもなかなか奇麗で楽しかったです。

10月6日 第12回材料系ワークショップ

第12回材料系ワークショップにオンライン参加しました。 スーパーコンピューター「富岳」を利用したマテリアルズ・インフォマティクスに関する発表を聞く会だったのですが、富岳に関しても、マテリアルズ・インフォマティクスに関しても興味があったので楽しかったです。 接続人数は約320名にも達したそうです。

10月2日 モデルナ2回目後の体温変化

モデルナの2回目接種から48時間ぐらいの体温のログを取りました。


Fig.1 モデルナワクチン2回目接種前後の体温変化。接種した時刻は14:20。赤でマークされたシンボルは、体温測定後に解熱剤(ナロン錠)を服用したことをあらわす。

赤で示した部分が、解熱剤としてナロン錠(アセトアミノフェンが主成分)を服用したタイミングです。 解熱剤の効果が出ているのは確かなのですが、劇的に体温が下がるわけではありません。

厚生労働省の解熱剤に関するQ and Aのページには、3種類の解熱剤について言及されています。

  • アセトアミノフェン(カロナール)
  • イブプロフェン
  • ロキソプロフェン(ロキソニン)

(※)市販されている解熱鎮痛薬の種類には、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン)などがあり、ワクチン接種後の発熱や痛みなどにご使用いただけます。(アセトアミノフェンは、低年齢の方や妊娠中・授乳中の方でもご使用いただけますが、製品毎に対象年齢などが異なりますので、対象をご確認のうえ、ご使用ください。)

ワクチンを受けた後の発熱や痛みに対し、市販の解熱鎮痛薬を飲んでもよいですか。

これら3種類の違いは【2021年】解熱鎮痛薬のロキソニンとカロナール。1分でわかる、作用や効果・副作用の違い【基礎知識】【2021年】ロキソニンとイブは何が違って何が同じ?効き目の強さや副作用について説明に説明が載っているわけですが、簡単に言うと

  • ロキソニンは最強だが、副作用も強い(特に胃腸障害)。
  • イブプロフェンはロキソニンより弱いが、人によってはロキソニンより効くこともある。副作用はロキソニンと同じぐらい強い。
  • アセトアミノフェンは効果も弱く、副作用も弱い。
って感じらしいです。

実を言うと、私のほかにも体温のログを付けていた人たちがいて、彼らの場合は、解熱剤服用から数時間で平熱付近まで劇的に体温が下がっていました。 私との違いはどこにあるのかな?と考えてみると、彼らが服用していたのはロキソニンで、私はアセトアミノフェン。 どうやら解熱剤の種類が違ったせいらしいと分かりました。

これからワクチン接種の人の参考になればいいなと思います。 どれが一番いいのかはケースバイケース見たいです。 普段から飲んでいる解熱剤があるなら、それを飲むのがたぶん一番良い。 そうでないなら、自分の個性に合わせて選ぶ必要がある。 可能ならお医者さんに問い合わせるのが良い。 って感じでしょうね。

9月29日 モデルナ2回目接種

東工大の職域接種でモデルナワクチンの2回目を接種してきました。 そこで気づいたのですが、接種後の経過観察が15分の人と30分の人がいました。 何が違うんでしょうか?

9月27日 科研費の応募書類

科研費の応募書類を書きました。 学部生の卒業論文のころから、論文を書くための練習してきているわけですが、研究費の申請書はそれに比べるとやはり経験が浅いです。 なので、申請書を書くときには、論文を書く場合と何が違うのかを把握しておくのが良いと思いました。

論文では「イントロ」「手法」「結果」「議論」の構成で書きます。 学振の申請書は、これらとは全く異なったフォーマットになっていますが、書くべき内容は、実は大きく異なるわけでは無いと思っています。 この場合「結果」と「議論」はまだ存在していないので、代わりに「予想される結果」と「どのような議論が可能になるか」を書くことになると思いますが。 フォーマットが随分違うので、申請書にするときには再配置をする必要がありますが、最終的な論文がどういう構成になるのかをあらかじめ考えておくのは悪くないと思います。 ここが論文と申請書の違いの一つ目です。

申請書では「学術的重要性」「手法の妥当性」「実行可能性」の3つの観点から審査されると言われています。 前者二つは普通の論文を書くときにも大事ですが、最後の一つ「実行可能性」は申請書に特有な項目だと思います。 で、この実行可能性というのは、単純に「できる」「できない」だけじゃないと思うのです。

他の研究者
できる できない
自分 できる
できない

つまり、自分にはできるけれど他の研究者にはできない、という事を書く必要があるという意味です。 直接的には「応募者の研究遂行能力及び研究環境」とかに書くことになるわけですが、それ以外の場所でもアピールできます。 例えば、持て余し気味な「着想に至った経緯」のパートとかに

  • 今までの研究活動で新しい問題を見つけた
  • 今までの研究活動の手法を別の問題解決に使えることに気づいた
という風に書けば、他の研究者ではなく、まさに自分が取り組むにふさわしい問題であることを強調できるはずです。 そんな訳で「自分が取り組むべき問題であること」を強調しなければならない点が、論文と申請書の違いの二つ目だと思いました。

9月17日 高圧討論会要旨投稿

高圧討論会の要旨を投稿しました。

9月16日 よりどり3パックまとめ買いでお得な紙パックジュースが7種類売られている件について

なぜ3の倍数にしないのか?

9月15日 VESTAに矢印を描く

VESTAで結晶構造を描く際に、原子に磁気モーメントとか変位とかの矢印(ベクトル)を書き込むことができることを知りました。 というか普通にマニュアル(21.8MB, 2019年1月27日 更新)に書いてありました。


反強磁性NiO

大雑把な手順は以下の通り。

  1. 普通に結晶構造を書く(またはcifをダウンロードしてくるなど)
  2. [Edit] → [Vectors]
  3. [Individual Atom] (左のタブ)
  4. [Filter] → [By element] → [Ni] など
  5. [Vectors] (右のタブ) → [New]
  6. Radius: 0.30 (矢印の太さ) など
  7. Modulus: 1.00 (矢印の長さ) など
  8. Color:255 128 0 (矢印の色) など
  9. 左のタブで原子を選択 → [<< set]
右のタブでModulus along crystallographyc axes:に負の値を入れると矢印の向きが逆になります。 詳しくはマニュアルの9.1 Vectors on Atomsを参照してください。

9月14日 磁性の分類(続き)

9月2日の日記で、磁性の分類は「強磁性」「常磁性」「反磁性」の3つがあると書きましたが、とっても分かりやすい固体量子さんのYoutube動画がアップロードされたようなので、紹介します。

これは自分でもやってみたい実験ですね。

9月13日 高圧討論会参加登録

高圧討論会の参加登録をし、事前受付料金の6,000円を郵便振り込みしました。 要旨はまだ書けていません…。

9月12日 メンチカツ

今日は等々力駅周辺を散歩しました。 昼ごはんは「定食屋 石榴」でメンチカツの定食を食べました。 おいしかったです。

近所に保育園があったのですが、その名前が「わらべうた等々力保育園」でした。 童歌が轟くみたいでちょっと面白い名前だなと思いました。

9月11日 消防点検

アパートに消防点検が来ました。 火災報知器とベランダに設置されている避難器具オリローの点検をしてもらいました。 ついでにオリローの使い方を教えて頂いたのですが、使い方を間違えると普通に落下するので、火事が起きたときには状況を見て可能ならば階段で逃げるようにともいわれました。 ビニール袋を被ると煙を吸わずに避難できるのでオススメであるとも。

あと、単純に使い方がややこしそう。 煙に巻かれて焦ってると間違いそう…

9月6日 ヒラマサフライ

今日の昼ごはんは「つかさ」で食べました。 以前は「サメフライ」を食べましたが、今日は「ヒラマサフライ」というのがあったので、それを食べました。 実は「ヒラマサ」というのがどんな魚なのか思い出せなかったのですが。 出てきたのは、白身魚でフライによく合う感じでした。 後から調べてみるとブリやカンパチと似た魚のようです。 それは確かにフライにすればおいしいわ…って感じでした。

9月3日 歯磨き粉

歯磨き粉が切れそうだった事を薬局の前を通りかかったときに思い出したので購入しました。 歯磨き粉に特に思い入れがないので、いま使っているのがどのメーカーのなんて言うブランドの物なのか覚えていなかったので適当に買ったのですが、ちゃんと同じものを購入できていました。 ガンダムの見分けがつかない人、プリキュアの見分けがつかない人、色々いますが、私は歯磨き粉の見分けがつかない人でした。

P.S. 8月18日以降の日記をまとめて書きました。夏休みの宿題を最終日にまとめてやる小学生みたいですね…。

9月2日 金属磁性の分類

金属の磁性は「強磁性である」とか「常磁性である」とか「反強磁性である」とか色々ややこしいです。 というのも、磁性の分類をどういった観点から行っているかによって、同じ「強磁性」という言葉でも意味が変わってしまう事があるためです。 (まあ、そもそも磁性という物理が難しいのもありますが…)

磁性の分類として最初に抑えておくべきなのは「外部磁場を加えたときに、物質の磁化がどう変化するか」という観点で分類したものだと思います。 言い換えれば、マクロに観測される磁性の分類です。 これは、以下の3つに分類されます。

  • 強磁性
  • 常磁性
  • 反磁性
これらの分類はネット上でも色々な文章が公開されていますが、たとえば強磁性、常磁性、反磁性の違いには以下のようにあります。

強磁性(ferromagnetism)
外部から磁界を加えると磁界と同じ方向の磁気を強く帯び、外部からの磁界をゼロにしても強い磁気が残る性質
常磁性(paramagnetism)
外部から磁界を加えると磁界と同じ方向の弱い磁気を帯び、外部からの磁界をゼロにすると磁気がなくなる性質
反磁性(diamagnetism)
外部から強い磁界を加えると磁界と反対方向の極めて弱い磁気を帯び、外部からの磁界をゼロにすると磁気がなくなる性質
福田昭のストレージ通信(25) 次世代メモリ、STT-MRAMの基礎(3)

要するに、磁場をかけた時に同じ向きに磁気を帯びるか逆向きに磁気を帯びるかで、常磁性と反磁性が分類されていて、さらに、特徴的なヒステリシスを持つ強磁性があるという事です。

常温・常圧の体心立方構造の鉄(いわゆる普通の鉄、bcc Fe、α-Fe)は強磁性に分類されます。 このbcc Feの温度を上げていくとキュリー温度(1043 K)以上で常磁性になります。 このように、同じ物質であっても温度や圧力を変えると磁性が変化することがあります。 一方で、この分類では、ある物質が同じ温度圧力条件で、複数の磁性を同時に持つという事は無いはずです。

ここまでは、外部磁場をかけた時の応答という観点で磁性の分類をしてきましたが、ここからは、このようなマクロな性質がなぜ起こるのか?という疑問に対して、磁性の起源に対する分類について書きます。 言い換えれば、ミクロな視点による分類です。 とはいえ、これは複雑すぎて私にはフォローしきれません。例えば

みたいなものがあるようです。 ここで注意しておくべき点として、この分類では、ミクロな起源だけを考えているので、ひとつの物質に複数の磁性が同時に存在していてもよいという点があります。 例えば、自由電子っぽい金属にはパウリ常磁性の寄与とランダウ反磁性の寄与の両方が存在しているはずです。 ランダウ反磁性のWikipediaの説明では、(理想的な自由電子系金属の)ランダウ反磁性の磁化率は、パウリ常磁性磁化率の -1/3 倍になると書かれています。 したがって、このような金属は、マクロな観点ではパウリ常磁性の寄与の方が大きく、常磁性に分類されるはずです。

まあ、それぞれの磁性の定義はさておき、誰かが磁性の話をしているときには「この人はどういう観点の分類で磁性の話をしているんだろうか?」という事は意識しておいた方がいいです。

9月1日 東工大コロナワクチン職域接種

東工大の職域接種でモデルナのワクチンを接種してきました。

Lot.3005286
Lot.3005286

実をいうと、私の摂取したワクチンは、他の会場で異物混入していたものと同じロットだという事でした。 接種前に、以下のような説明文が配られました。

本学の使用するワクチンが、横浜市の異物混入ロットと同じロットであることが確認されました。 厚生労働省と武田薬品に確認したところ、9月1日11時時点では、目視にて異物を確認することで接種可能との回答を受けています。

午後からワクチン接種を開始しますが、ご自身の判断で接種を希望される場合は、会場にお入りください。 接種をキャンセルしたい場合は、予約システムからキャンセル手続きを行ってください。

異物混入ロットと同一ロットであることが発覚したせいで、午前中の摂取は中止され、午後のリスケが必要なったり、スタッフの方は大変だったでしょうね…。 異物混入自体は、まあ、あり得ないと思いますが、普通のロットと比べて余計に緊張した人とかは多かったと予想されるので、「血管迷走神経反射」(採血とかすると気持ち悪くなっちゃう人が出るヤツ)が起こる人とかは増えた可能性がありますね。 少なくとも普段以上に気を使ったと思います。 そういう意味でも、スタッフの皆さまはお疲れさまでした。 今月末に予定されている2回目の摂取もよろしくお願いします。

8月28日 地惑同窓会

オンラインで地惑同窓会がありました。 久々に懐かしメンバーとおしゃべりできたので楽しかったです。

8月18日 博士論文外部審査員

8月18日の日本時間22:00から、博士論文の外部審査員(external examiner)としてzoomミーティングに参加しました。 外部審査員というか、博士論文を審査する側に回るのは初めての経験だったので緊張しました。 単純に緊張するというだけではなく、あらかじめ博士論文の文章をちゃんと読み込んでおいて、適切な質問を用意しておかないといけない等、審査する側も大変です。 尤も、彼の博士論文の大部分は、既に論文として出版されていたものなので、完全に初見な部分はほとんどなかったのは幸いでしたが。 それに、審査される側の Joshua くんの方が緊張していたでしょうし。

彼の論文も発表も非常に素晴らしく、私も次の研究に向けてのインスピレーションを沢山いただきました。 博士論文はLittleton (2021)から読むことができます。

8月17日 EPMAの再起動

EPMAを再起動しました。

8月16日 PCクラスタの再起動

週末の停電のためにシャットダウンしていたPCクラスタを再起動しました。 SSHではログインできるのに、なぜか接続してあるモニタが表示しないという問題に遭遇しました。 直っていないのですが、とりあえず計算はできるので保留。

8月15日 Wordの数式

Microsoft Wordに挿入している数式を触るとWordが落ちる…。 どうも、数式を切り取って、別の場所に貼り付けしようとすると落ちる様でした。 仕方ないので(?)数式は切り取らずに、その周りの文章をカット&ペーストして乗り切りました。

8月13日 散髪

夏季休業ですが、実家に帰省するのも憚られるので、基本的に家に籠っています。 そんな中、今日は散髪に行きました。 980円。 午前中に行けば幾らか安いのですが、混んでいると思うので敢えて午後に。

と、書いた文章をアップロードしようと思ったらELSIのサーバーにアクセスできない…。 考えてみれば、土日の停電に備えてサーバーをシャットダウンしたんですね。 停電対応お疲れ様です。

8月10日 続・コーヒー

昨日購入したコーヒーを入れました。 コーヒーの味に関してはよく分かりませんが、少なくとも不味くはないと思います。 暫くこれで行こうと思いました。

8月9日 コーヒー

コーヒーが特に好きなわけでは無いのですが、お昼ご飯の後に眠くならずに仕事をするために一杯だけコンビニのコーヒーを飲む習慣がついてしまいました。 特に好きなわけでもないのに、コーヒーを飲まないといけないなんて、研究者とは難儀なものです…(?)。 学内には、割と近くにセブンイレブンがあるので問題ないかのように思うのですが、実はこのセブンイレブンは平日しか開いておらず、今日のように休日に(平日だと勘違いして)大学に行ってしまった日には、学外のコンビニまで歩かなければいけません。 夏真っ盛りの気温の中、これはなかなかしんどいです。

そこでドリップコーヒー(14袋入り)を購入してみました。 これなら電気ポットのお湯だけで、コーヒーを淹れることが可能です。 購入したのは、大学からの帰り道なので、明日か明後日かそれぐらいに試してみようと思います。 不味くないといいな…

ちなみに眠くならないとか気にしないなら、本当はチャイミルクティーとかを飲みたいです。 お気に入りは片岡物産のトワイニングチャイミルクティーです。

8月5日 真鯛弁当

真鯛弁当
真鯛弁当 680 円

大学の近くのお弁当屋さんの松屋亭で、ひときわ目を引くお弁当を売っていました。 普段は450円ぐらいの唐揚げ弁当とかを買っているのですが、平日の昼間から真鯛を一匹まるまる食べるという誘惑に勝てず(?)購入。 おいしかったです。

8月3日 クラペイロン勾配

高圧相と低圧相が平衡にある相平衡境界線の勾配$dP/dT$ は,クラウジウス-クラペイロンの式で,次のように表される。 \[ dP/dT = \Delta S(P, T) / \Delta V(P, T) \] ここで$\Delta S(P, T)$と$\Delta V(P, T)$は平衡にある2 相の圧力$P$,温度$T$ におけるエントロピー変化と体積変化である。 高圧相の方が低圧相よりモル体積が常に小さいので,体積変化はどれも負であるため,勾配が正であることは$\Delta S(P, T)$が負であることを示し,反対に勾配が負であることは$\Delta S(P, T)$が正であることを意味する。

赤荻, 2005 Netsu Sokutei

クラウジウス・クラペイロンの式は$dT/dP$で書いてありますが、温度・圧力の状態図を描くときは、横軸に圧力を取って縦軸に温度を取るので、逆数で書き直します。 \[ dT/dP = \Delta V(P, T) / \Delta S(P, T) \] ギブスエネルギーの差は $\Delta G = \Delta E + p\Delta V - T\Delta S$ なので、高圧相と低圧相の比較だと、高圧相の方が体積が小さくなるというのは「まあ、そりゃそうだ」という感じですよね。 同じように考えて、高温相と低温相の比較という事なら、高温相の方がエントロピーが大きくなるのも当然です。

さて、高温相と低温相の比較をするとき、エントロピーではなく体積の大小はどうなるでしょうか? なんとなく熱膨張からの類推で、高温相の方が体積が大きいほうが自然な気がします。 この場合は、クラペイロン勾配が正です(言い換えるなら、低圧相の安定領域が高温側に広がっている)。 逆に高温相の方が体積が小さい場合、つまり高温相が高圧相である場合、クラペイロン勾配は負ですね。

クラペイロン勾配が正の方が自然な感じで、負の方が不自然な感じ(あくまで「感じ」です…実際にはクラペイロン勾配が負の物質は沢山ありますし…)だとすると、低圧相がエントロピーが大きくて高圧相の方がエントロピーが小さいほうが、なんとなく自然な感じ…という事になるんだと思うのですが、体積と違ってエントロピーって言われると、途端に「う~ん」って感じになるの何なんでしょうね? やっぱりエントロピーってイメージしにくいですよね。

7月27日 高圧討論会の参加登録

第62回高圧討論会へ講演申し込みを行いました。 申し込み締め切りは31日(土)までに延長されたようです。 地球の内核の不純物抵抗の第一原理計算の結果を報告する予定です。

7月21日 暑い

暑いです…。

7月20日 フォント

テキストエディタのフォントには、こだわりが出ます。 私は特にこだわりはないのですが、数字のゼロとアルファベットのオーの区別がつきやすい事だけは必要ですよね。 今までイライラしながらも放置していたのですが、とりあえずテキストエディタのフォントをConsolasというやつに変更しました。

7月19日 二次相転移境界を決める方法

大気圧下で氷が融解して水になる場合,系の温度は氷が全部融解するまで0℃に維持される. しかしすべての相転移がこのように等温変化するわけではなく,かなりの温度領域にわたって相転移が起こる例も多い. オランダの物理学者エーレンフェスト(P.Ehrenfest)は,ギブズエネルギーGのn次微分が不連続になるものを,n次相転移と定義した.

相転移の種類

というわけで、高圧下で二次相転移境界をどの様な実験から決められるでしょうか。 一次相転移の場合は \[ \left(\frac{\partial G}{\partial T} \right)_P = -S \\ \left(\frac{\partial G}{\partial P} \right)_T = V \] が不連続になるので、X線回折から体積$V$を求めれば相転移境界を決められます。 それ以前に別の結晶構造になる場合が多いのですが。 これに対して、二次の相転移では似たような構造の間で相転移する事が多く$V$の不連続もないのでXRDから相境界を決めるのは結構大変です。 (マントル鉱物の中で一番有名な二次の相転移が何なのかは知りませんが、)例えばCaSiO3ペロフスカイトは、低温のtetoragonalから高温のcubicへと二次転移します。 これはSiO6の八面体の傾きがだらだらと変わっていく変化です。

というわけで、もう一回微分を行います。 \[ \left(\frac{\partial^2 G}{\partial T^2} \right)_P = -\frac{C_P}{T} \\ \left(\frac{\partial^2 G}{\partial P^2} \right)_T = -\frac{V}{K_T} \] このことから、二次転移境界を決めるには比熱$C_P$または体積弾性率$K_T$を見ればよさそうです。

高圧実験で、こういう物性値が出てきそうなのって、どんなものがあるかなって考えると、三朝で大迫先生たちがやってらっしゃる熱拡散率と熱伝導度の同時測定が思い浮かびました (例えば大迫ら(2014))。 \[ \kappa = \frac{k}{\rho C_P} \] なので熱拡散率$\kappa$, 熱伝導度$k$(と何とかして密度 $\rho$)が決まれば$C_P$が決まります。 まあ、でも、($V$に不連続がないので)$\rho$には不連続がなく、多分$k$にも不連続が無いだろうと思えば、同時測定までしなくても$\kappa$だけ見れば二次転移境界は決められそうです。 原理的に言えば、太田研のサーモリフレクタンス法での熱拡散率測定からでもやれそうですね。

一方で、体積弾性率$K_T$を決める方はどうでしょうか。 状態方程式を決めるのと同じノリでXRDを取っていって$P-V$のデータを微分すれば良いわけなんですが、まあ微分は大変ですよね。 丁度、7月15日の日記に書いてありますが縦波速度を測定するという事になるんでしょうね。 まあ、$K_S$と$K_T$の違いはありますが。

7月15日 バーチの法則と温度依存性

バーチの法則というのは、岩石の縦波速度 $V_P$ が、密度 $\rho$ の関数として以下の式にで表されるという経験則として知られています。 \[ V_P = a + b \rho + C (A - 21) \] ここで $A$ は、平均原子量。 これは縦波速度に関しての議論ですが、横波速度とかバルク音速とかでも同じような議論を見ます。

バーチの法則の式は、密度の関数として表現されていて、温度の効果に触れていません。 なので、温度に依存しない密度だけの関数として弾性波速度を計算できれば便利だよね…という話によくなります。

(Sakamaki et al. 2016)

で、これに関しては、例えば上の図に示した Sakamaki et al. (2016) とかのように、温度ごとに別の直線を引かないとダメっぽいという議論があります。

さて、これらの弾性波速度は \[ V_{P} = \sqrt{\frac{K_{S}+\frac{4}{3}\mu}{\rho}}, V_{S} = \sqrt{\frac{\mu}{\rho}}, V_{\Phi} = \sqrt{\frac{K_S}{\rho}} \] のような感じで、弾性率を密度で割って平方根をとった形になっています。 なので「温度に依存せずに密度だけの関数として弾性波速度が表現できる」ってどういう意味?という事になると「弾性率に温度依存性がない」という事と同じ意味だよね?ってなります。 (まあ $V_P$ に関しては、体積弾性率と剛性率の温度依存性がキャンセルされるとかでもいいかもしれませんが…)

じゃあ、弾性率の温度依存性ってどんな感じなの?って話になると思うんですが、これは、松島 (1978)に簡単に紹介されています。 曰く $(\partial K_S / \partial T)_P \propto C_V$ で $C_V$ はデバイ温度以上でほぼ一定となり、結果的に体積弾性率は温度の一次式になる、と。 という訳で、バーチの法則という言葉を「弾性波速度が密度のみに依存して、温度に依存しない」という意味で使うのは、実際的にも理論的にも無理がありそうだなあ…という感じですね。

7月14日 冷やし担々麺

大岡山駅前の四川屋台で、冷やし担々麵をやっていたので食べました。 冷たくておいしかったです。

7月12日 続・webカメラ

アマゾンからPCIe x1接続のUSB 3.0ボードが届いたので、デスクトップPCに増設しました。 そこにお預けになっていたwebカメラの接続も行いました。 Dell の PC だったので、配線がかなりすっきり…というか、必要十分な長さしかなく、USBカード用の電源を取るのに苦労しました。 内蔵SSDのベイをひとつだけマザーボードに近い側に移動させたことで、なんとか電源ケーブルをつなぐことができました。 組付けにはそれなりにてこずりましたが、ちゃんと接続さえすればUSBボードもwebカメラも何の問題もなく動作しました。 これでオンラインミーティングのためだけにノートパソコンを持ち運ばなくて済みます。

7月9日 Webカメラ

zoomなどのオンラインミーティングでは、カメラ付きのノートPCを使っていたのですが、デスクトップPCに外付けのWebカメラをつないだ方が画面を広く使えてよいかもしれないと思い至りました。 要は、用事があって大学に行かなければならないが、雨が降っている中をノートパソコンを持ち運びたくない…みたいな事態がよくあるという事です。 そこで、アマゾンで注文したカメラが先日届いたのですが、いざ繋ごうと思ったらデスクトップPC側のUSB端子が不足していました…。

7月8日 線状降水帯

西日本で大雨が降りました。 幸いにして私は東京にいるので大したことは無いのですが、実験のためSPring-8へ出張している人たちは電車が遅れたり止まったりで大変だったようです。 また、私が以前住んでいた鳥取県の三朝町では、土砂崩れで道路が一部通行できなくなったり、三徳川の増水がすごいことになったりでやはり大変だと聞いています。河原風呂は完全に水没ですね…。

7月6日 サーバールームの温度・湿度

東京で湿度100%が観測されたようです。 蒸し暑い日が続いています。 私の計算機が置かれている部屋は、LAN経由で部屋の温度と湿度がモニターできるようになっています。 アクセスしてみると、部屋の湿度は70%に達していました。


湿度の時間変化

温度のグラフ表示は、範囲が5 ℃から65 ℃のスケールになっていて、部屋の温度が変わってもグラフ上でほとんど見分けがつきません。 エアコンの設定温度は、(たしか)26 ℃設定になっていて、私の計算機をフル稼働させると1-2 ℃ぐらい温度上昇しているようです。
これに対して、湿度の表示範囲は0 %から100 %となっていて、本日の通常時の湿度は70%ぐらい。 ここで計算機をフル稼働させると、ガクッと湿度が下がって60 %ぐらいになります。

相対湿度は、飽和水蒸気量に対して空気中にどの程度の水分があるかを表したものなので、温度が上がって飽和水蒸気量が増えると、絶対湿度が変わっていなくても、相対湿度が下がるのだと思います。 ググってみると、神栄テクノロジー株式会社水分パラメータ計算ツールというのがヒットしました。 温度26 ℃相対湿度70 %の絶対湿度は17.056 g/m3で、これは温度28 ℃相対湿度60 %のときの絶対湿度17.251 g/m3 と同じぐらいの値になる計算です。

7月5日 にわか雨

梅雨入りして久しく、天気予報で「にわか雨」というのをよく耳にするようになりました。 「にわか」という言葉は、物事が急に起こる、もしくは急に変わる様子を表す言葉なのです。 しかし、私はインターネットスラングに毒されすぎたせいで、どうもネガティブな印象を受けるようになってしましました。 具体的には、ニコニコ大百科のにわかの項目には以下のようにあります。

「にわか雨(突発的に降り出してすぐ止む雨)」「にわか仕込み(付け焼刃などに同じ)」などの派生語も多い言葉だが、現代日本のインターネット上で単に「にわか」と言ったら「にわかファン」を指すことが多い。
元々のファンでもないのに、世の中の流行に乗せられて短期間で急速に興味を持った新参が、あたかも古参のごとく背伸びして振る舞おうとする様子を生温かく揶揄する煽りワードもしくは自虐ワードとして2000年代ごろからネット上で使われてきた。

ニコニコ大百科

なんか…こう。 梅雨じゃない間はあんまり降らなかったくせに、梅雨入りした途端に流行に乗せられて降り出した雨…みたいな。 いや、にわか雨が「にわか」扱いされるのも不条理な話だとは思うのですが。

7月4日 東京都議会選挙

東京都議会選挙の投票のために近所の小学校に行きました。 並んでいるときに後ろの夫婦の会話が耳に入りました。

「お父さん、今日の晩御飯何食べる?」
「なんでもいい。」
「なんでもいいが一番めんどくさいのよ。じゃあうどんにしましょう。」
「やだ。」

みたいなやり取りをしていて、現実世界で本当にこんな会話する夫婦いるんだ…ってなりました。

7月1日 tcsh

tcshのシェルスクリプトでBadly placed ()'s.というエラーが出ました。 まあ、間違っていた個所は簡単で set LIST= ( 0 1 2 )みたいに書くべきところをLIST= ( 0 1 2 )などとsetをつけ忘れたという事なのですが。

私は、シェルスクリプトをtcshのスクリプトで書きがちです…bashではなく。 これは、初めてCMDワークショップに参加したとき、ビギナーコースでご指導くださった小口多美夫先生(だったと思います…たぶん、違ったら申し訳ありません。)が使っていたのがcshだったからだったと記憶しています。 結局HiLAPWは使っていないのですが、当時のシェルスクリプトをコピペしつつ使っていると思うと懐かしいです。

6月29日 ノートを紛失したかと思った…

研究プロジェクトごとにノートを作成しているのですが、そのうち一冊を紛失したかと思いました。 幸いにして、印刷した論文の束の中から見つかったのですが、肝を冷やしました。 とはいえ、探すついでに部屋が片付いたので良かったです(?)。

6月28日 計算の最大使用メモリを確認する

AkaiKKR や ecalj の計算でどの程度のメモリを使用したのか確認したいことが良くあります。 Open PBS を利用してジョブ管理をしているのなら tracejob で使用メモリなどを確認できます。 例えばジョブIDが9081のジョブに関して調べるなら

tracejob 9081

のようにタイプします。 すると resources_used.mem=31672kb のようにメモリの最大使用量などが出力されます。 詳しくは京都大学科学研究所スーパーコンピュータシステムのページを参照。

実行中のジョブ(のIDなど)を確認するために qstatqstat -s などを利用すると思います。 これに対して、終了したジョブの確認には qstat -x を利用できます。 ただし、デフォルトの設定では、終了したジョブの確認ができるようになっていないかもしれません。 どんな設定をするのだったか忘れちゃいましたが、多分

sudo -i qmgr
set server job_history_enable = True

だったと思います。

一方で Open PBS のジョブ管理システムを利用していないマシンで最大使用メモリを確認したい場合もあると思います。 その場合は time コマンドを利用します。 time コマンドは、2種類あるだとか、出力フォーマットが見にくいだとか、色々めんどくさいので、何も考えずに以下を ~/.bashrc に書いてしまします。

## *** time ***
export TIME="time result\ncmd:%C\nreal %es\nuser %Us \nsys  %Ss \nmemory:%MKB \ncpu %P"
alias time='/usr/bin/time'

参考にしたのはtime(2)を使って手軽に実行時間、メモリ最大使用量、CPU利用率を知りたいです。

6月25日 Site Visit のポスター発表

ELSIのSite Visitにてポスター発表をしました。 コロナ禍なので、オンラインポスター発表という事でZoomのブレイクアウトルーム機能を使っての発表でしたが、時間進行が厳密で、ポスターセッションの終了時間になったらバッサリとブレイクアウトルームが閉じられてしまいました。 普通の対面での学会のポスター発表とかだと、なんだかんだ言ってセッションの時間をオーバーして議論してしまうという事も良くあるので、こういった、厳密な時間進行ができるというのもオンラインの特徴だと感じました。

6月23日 HDD交換

PCの外付けHDDの調子が悪くなりました。 具体的には、外付けHDDのフォルダを表示しているウインドウが突然消えたり、逆に突然ウインドウが立ち上がったりを繰り返すようになりました。 HDDそのものが壊れかけているのか、USB接続の方がまずいのかは分かりませんが、寿命なんだろうと思いました。

昔購入したWestern DigitalのHDD (WD red)の3TBを使わずに持て余していたので(容量当たりの単価が良かったので購入したのですが、3TBというのはいかにも中途半端でした…)、これを内蔵HDDとして使うことにしました。 SATAケーブルが見当たらなかったので(探せばどこかにあるはずですが)、内蔵の光学ドライブから引っこ抜いて使いました。 光学ドライブは光学ドライブで、ここのところずっと不調で、取り出しボタンを押してもトレイが開かなくなっていました。 そもそも、光学ドライブを使う機会もあまりないし、まあ、ケーブル引っこ抜いちゃってもいいかなって感じです。

6月22日 多忙

そもそも日記を書く時間があったとしても、特に書くべきことが無いという事態もありますね。 え~っと…今日は火曜日なので「たんや」で火曜日限定のたんや丼が食べられる日でした。 おいしかったです。 火曜日の日記は、毎週これになる疑惑があります。

6月21日 ラボツアー

東工大地惑の学部四年生は、(院試勉強を進めながら)卒論研究の事を真面目に考えだす時期になりました。 そんなわけで太田研究室の学生数人に向けて地球生命研究所の使いそうな実験室の見学ツアーを行いました。 具体的には、ピストンシリンダーなどが置いてあるB01、TEMが置いてあるB02、EPMAが置いてあるB09とELSI-2棟の私の計算機室を見てもらいました。

6月18日 スパコン

今更と言えば今更ですが、地球生命研究所のスパコンのアカウントを作っていただきました。 普段は自分のPCクラスタを使えばよいのですが、それでは厳しいような計算はこちらを使えばよさそうです。

6月16日 寝ぐせ

朝起きたら寝ぐせが余りにも悪魔的だったので思わず写真を撮ってしまいました。

寝ぐせ

さて、寝ぐせって英語で何て言うんだろうと思って、英辞郎 on the WEB ProLiteで調べてみたところ、以下のような例文がヒットしました。

や~ん、朝起きたらこの寝ぐせ。ちゃんと直るかしら。
Oh, no. My hair looks like a bird's nest when I wake up. Can I have my hair set back right?

英辞郎 on the WEB ProLite

「寝ぐせ」に対応する英単語は存在せずbird's nestのように髪型を「鳥の巣」にたとえることで、寝ぐせの表現をしているんですね。 ちょっと気になったのでDeepLやGoogle翻訳でも、前述の日本語を英訳してみます。
まずはDeepL。

や~ん、朝起きたらこの寝ぐせ。ちゃんと直るかしら。
Oh no, I woke up this morning with this sleeping habit. I wonder if I can fix it.

DeepL

「寝ぐせ」をsleeping habitと訳していますが、これを英辞郎で検索すると睡眠習慣という訳が出てきました。 というわけでdeepLのは誤訳と言ってよいと思います。
次にGoogle翻訳。

や~ん、朝起きたらこの寝ぐせ。ちゃんと直るかしら。
Hmmm, when I wake up in the morning, let's sleep. I wonder if it will be fixed properly.

Google翻訳

や~ん、「寝ぐせ」がlet's sleepになってしまいました。 どうしてこうなってしまったのか分からないので、もう寝ます…。

6月15日 多忙

何かと忙しい日々が続いていたおかげで、日記の更新が一か月ぐらいありませんでした。 何も書くことがない日は、素直に「なにもなかった」と書けばよいのだという事に気づいていないわけではないのですが。

第一原理計算関連のウエブページに夏の学校を終えてという日記のような(?)ページがあり、なんと1999年から現在まで続いているようです。 私のページもこういう感じにできれば良いのですが…

6月14日 フラッシュトーク

来たるELSIのサイトビジットに向けて発表ポスターの準備をしました。 特に今回初めて準備したのが、1分間のフラッシュトークというやつです。 これは、あらかじめ自分がしゃべっている動画を撮影しておいて、ポスターサイトにアップロードする形式の様です。

英語でスピーチを行う場合、おおよそ1分間でしゃべれる分量は100単語程度との事ですので、これを目安に原稿を用意しました。 廣瀬研究室の田川くんに教えてもらったところ、動画撮影はカメラ付きのPCを使えば簡単にできるとの事でした。 方法は2種類あって、自分用のzoomの部屋を作って行う方法と、Microsoft PowerPointの機能を使う方法が簡単だとの事です。 今回は、発表スライドごとPowerPointでつくりました。

まず通常通りに発表スライドを作ります。 スライドは何ページ作ってもよいのですが、今回の発表時間は1分だけという事なので、1ページだけにしました。 次に [スライドショー] → [スライドショーの記録] という順にクリックしていきます。 カメラやマイクが起動して、作成たスライドが表示されるので、左上の [記録] と書かれたボタンをクリックして撮影を開始します。 撮影が終わったら [停止] ボタンで停止します。 [再生] ボタンを押して問題がないことを確認したら、保存手続きに移りましょう。 右上の閉じるボタンを押して、通常のPowerPointの編集画面に戻ります。 [ファイル] → [エクスポート] → [ビデオの作成] → [ビデオの作成] とすればmp4形式でファイルを保存することができます。

6月12日 誤字訂正

メモのページの三次のBirch-Murnaghan状態方程式の圧力の式の閉じる括弧の位置が間違っていたので訂正しました。 下記が正しいバージョン…のはず。 \[ P(V)=\frac{3K_0}{2}\left[\left(\frac{V_0}{V}\right)^{\frac{7}{3}} - \left(\frac{V_0}{V}\right)^{\frac{5}{3}}\right] \left\{ 1 + \frac{3}{4} (K^{'}-4) \left[ \left( \frac{V_0}{V} \right)^{\frac{2}{3}} -1 \right] \right\} \]

5月10日 大学生協が百年記念館に移動

生協へ行ったらシャッターがしまっていました。 どうやら今まで東工大本館にあった大学生協が、百年記念館の1階に移動したようです。

早速向かってみたところ、中は少しスタイリッシュな感じになっていました。 しかしながら、扱っている商品はこれまでと変わらず、本、文房具、コンピューター関連と飲食物です。 ひっそりと開店セール…というかワゴンセールをやっていたのでCAT6のLANケーブルを購入して帰りました。

5月9日 bc コマンドに科学表記(指数表記)の数値を与える

Linux のコマンドラインで簡単な数値計算を行う場合 bc というコマンドを使います。 例えば 1 + 2 の計算をしたい場合は以下のような感じです。

echo "1 + 2" | bc -l

しかしながら bc コマンドは 1E-2 や 1D-2 のような指数形式(科学形式)の浮動小数点数を受け付けてくれません。 たとえば、以下のように 0.01 + 0.001 の計算を行うと 0.011 になるはずが -2.62 といった間違った数字を出力してしまいます。

echo "0.1E-1 + 0.1E-2" | bc -l

この問題に対する解決策はHow to get bc to handle numbers in scientific (aka exponential) notation?に書かれています。 簡単に言うと E を * 10 ^ に置換してくれるという事です。 この例では、指数形式が E のときだけ対応しているので D のときも置換してくれるように [eE] を [eEdD] に変更します。 前述の例は、以下のようになります。

echo "0.1E-1 + 0.1E-2" | sed -E 's/([+-]?[0-9.]+)[eEdD]\+?(-?)([0-9]+)/(\1*10^\2\3)/g' | bc -l

ecalj で半導体・絶縁体の計算をしたとき、価電子帯最上部(VBM)と伝導帯最下部(CBM)から、その真ん中の値(真正半導体のフェルミエネルギー)を計算したいことがあります。 VBM と CBM は efermi.lmf に出力されるので、これを読み取って bc で平均を求めるシェルスクリプトは以下のようになります。

#!/bin/bash
VBM=`sed -n 2P efermi.lmf | awk '{print $1}'`
CBM=`sed -n 3P efermi.lmf | awk '{print $1}'`
EF=`echo "0.5 * (${VBM} + ${CBM})" | sed -E 's/([+-]?[0-9.]+)[eEdD]\+?(-?)([0-9]+)/(\1*10^\2\3)/g' | bc -l`
echo ${EF}

しかしこれは ${VBM} + ${CBM} の部分のスペースを入れ忘れて ${VBM}+${CBM} としてしまうと結果が変わってしまうので注意が必要です。 代わりに変数に代入する段階で D や E を置換してしまった方が良いかもしれません。

#!/bin/bash
VBM=`sed -n 2P efermi.lmf | sed -E 's/([+-]?[0-9.]+)[eEdD]\+?(-?)([0-9]+)/(\1*10^\2\3)/g' | awk '{print $1}'`
CBM=`sed -n 3P efermi.lmf | sed -E 's/([+-]?[0-9.]+)[eEdD]\+?(-?)([0-9]+)/(\1*10^\2\3)/g' | awk '{print $1}'`
EF=`echo "0.5 * (${VBM} + ${CBM})" | bc -l`
echo ${EF}

5月7日 Asia Research News に記事が載りました

Asia Research Newsにインタビュー記事ポッドキャストが公開されました。 地球生命研究所のラボマネージャーというのがどの様な仕事なのかについて答えています。 今の私のポジションは、研究者として研究を行う業務と、実験室の管理業務の二種類の仕事が求められます。

5月6日 研究室オンラインセミナー

今日は午前中に廣瀬研究室のオンラインセミナーに参加し、午後に太田研究室のオンラインセミナーで発表をしました。 午前中のセミナーは、内容については触れられませんが、このテーマに関しては私も第一原理計算をして論文を書きたいなと思っています。 午後の私の発表は、やっぱり内容については触れませんが、論文投稿まではもう少しかかりそう。 この話の論文を投稿する前に、少なくとも2つ…多分3つ論文を投稿しなくてはいけない感じですね…。

5月5日 教育の抱負

次のポジションを得るために、教員の公募情報を探しています。 岡山理科大学で岩石・鉱物関連の公募が出ていたので、応募書類を書きました。 さて、私は多くの応募書類で提出を求められる「教育の抱負」を書くのが苦手です。 今回の応募書類の作成要領に、大学入試の数学の問題とかで言うところの「誘導」みたいなのが有ったのでメモ。 以下が岡山理科大学の教員個人調書作成要領からの引用です(ただしこのフォーマットを守る必要があるのは工学部のみ)。

以下の(1)から(4)のすべての項目について記述すること。
(1)教育の責任
現在までの教育活動について記述し、どのように責任を担ってきたかを述べること。
(2)教育の理念と目的、およびそれらを達成するための方法
「教育の責任」の下で、自らの教育理念と目的を述べ、さらにそれらを達成するために用いた手法と、そのような手法を用いた理由を記述すること。
(3)教育改善・授業改善に対する考え方と方法、成果、評価
これまでの教育改善・授業改善の取組みとその成果について客観的に自己評価する。その上で今後の課題とその改善策について述べること。
(4)着任後の目標と抱負
工学系大学教育が社会に対して担うべき役割と本学の建学の理念、学部・学科の教育目標、DP、CP等を踏まえて、今後本学で発展させたい教育理念・目標や方法論について抱負を述べること。

上記の要領では、過去にどの様に教育活動を行ってきたのかを問うていますが、これからどの様な教育活動を行っていくのかを書く場合でもフォーマットは同じだと思います。 こうしてみると、研究論文のイントロダクションを書くのと似たような構成をしていることが分かります。 つまり、大きな背景を紹介して、そのなかで自分がどのような問題を解決するつもりなのかはっきりさせ、その問題解決の方法を記述する…と。 「教育の抱負」みたいなキーワードでググると、幾つかの例がヒットしますが、おおよそそんなようなフォーマットになっているような…う~ん…どうだろ?

5月2日 ゴールデンウイーク

ゴールデンウィークですが、コロナウイルス(COVID-19)が流行しているせいで遊びに行けません…。 まあ、在宅勤務環境にも随分慣れて、自宅からでもssh経由で大学のPCクラスタに接続できるので、大人しくDFT計算をやって過ごそうと思います。

4月28日 証明写真

PALETTE PLAZA大岡山店に、色々なところで使える証明写真を取りに行きました。 スタンダードセットの2,420円で、写真4枚の印刷とjpgデータの入ったCD-ROMが付いてきます。 焼き増しが必要な場合はCD-ROMを持っていくと対応してもらえるとの事。 証明写真機の方が安上りなのですが、やはり店舗に行く方が奇麗に撮ってもらえますね。

4月23日 PBS の Queue 作成

自作クラスタ計算機:pbs_proの基本設定を参考にPBSを動かしているのですが、このままだと Queue が workq のひとつだけしかありません。 別にお一人様サーバーなので、ひとつしかなくても問題ないと言えばないのですが、なんとなく高優先度の Queue と低優先度の Queue があった方が良いような気もしたので ジョブスケジューラー torque の設定のジョブの作成(ログインノード)を参考に3つの Queue を作りました。

まずキューマネージャーを立ち上げて

sudo -i qmgr

以下のような設定を打ち込みました。

set server scheduling=true
create queue long queue_type=execution
create queue middle queue_type=execution
create queue short queue_type=execution
set queue long started=true
set queue middle started=true
set queue short started=true
set queue long priority=30
set queue middle priority=40
set queue short priority=50
set queue long enabled=true
set queue middle enabled=true
set queue short enabled=true
set queue long resources_default.nodes=1
set queue middle resources_default.nodes=1
set queue short resources_default.nodes=1
set server default_queue=long

要約すると Queue の種類は優先度の低い順から long, middle, short の3種類。 名前の付け方に反して、全部時間制限なし。 ほとんどの計算は long でやる。 急いでやりたい仕事が出来たら middle を使う。 short は緊急事態用だけど多分出番はないと思います…。

それぞれの Queue の設定を確認する方法は以下の通り。

sudo -i qmgr
print queue long
print queue middle
print queue short

Queue を指定してコマンドを実行する場合は

echo "sleep 30" | qsub -q long

など。 ジョブ投稿用のシェルスクリプトの中で実行する Queue を指定する場合は

#PBS -q long

のような行を追加する。 例えば

#!/bin/bash
#PBS -V
#PBS -q long
#PBS -l select=1:ncpus=6

cd $PBS_O_WORKDIR
~/kkr/cpa2002v010/specx < in/Fe.in > out/Fe.out

4月22日 高評価よろしくおねがいします!

太田研のオンラインセミナーに参加させていただきました。 新年度なので、まだ私たちの研究分野の基礎知識に乏しい学生さん達も多いという事で、以前行った高校生向けの研究紹介のYoutube動画地球中心核の熱伝導度と地球ダイナモの宣伝をしました。

「高校生向けに作った動画なので分かりやすいと思います。」
「高評価が3件しか付いていませんが、うち1つは自分で付けたので、2人しか高評価してくれてなくて悲しい…」
「ぶっちゃけ動画は見なくてもいいから高評価付けて…」

すると、高評価の数が13になりました!やったね! (なお高評価が増えたところで特に何か私が得をすることはないです。) 皆さんも是非、視聴して高評価してくださいね!

4月20日 特殊健康診断

放射線装置を使うために、特殊健康診断を受診してきました。 昨年はレントゲンとか色々な検査が必要でしたが、今回は採血と問診だけでした。

4月3日 ecaljでSiのQSGW近似計算

ecaljでGW近似計算をするための最もシンプルなサンプルです。

wget https://blog-imgs-81-origin.fc2.com/g/o/m/gomisai/ctrls_si.txt -O ctrls.si
ctrlgenM1.py si
cp ctrlgenM1.ctrl.si ctrl.si
lmfa si
mkGWIN_lmf2 si
cp GWinput.tmp GWinput
gwsc 0 -np 6 si

4月2日 廣瀬研集合写真

廣瀬研究室の集合写真を撮りました。 そのうちwebページに写真が載ると思います...

3月24日 さくら

東京工業大学は桜の名所ですが、今年も桜が咲き始めました。

ELSI棟の周りの桜

写真は、地球生命研究所と地球惑星科学系の間から撮影したものです。 こちらの桜は見頃です。 東工大で最も有名な本館前の桜は咲き始めといったところで、満開になるのは数日後だと思います。

3月23日 PUI PUI モルカー最終回

いい最終回だった...

3月22日 二次元自由電子の状態密度

積読状態になっている基礎から学ぶ強相関電子系の最初の方を少しパラパラしました。 自由電子の状態密度について、1次元のものと3次元のものの導出が載っているのですが、2次元が書かれていないので、やってみました。

2次元の自由電子の分散関係は \[ E = \frac{\hbar^2 |\vec{k}|^{2}}{2m} = \frac{\hbar^2 (k_x^2 + k_y^2)}{2m} \] この2次元の$k$空間のなかの等エネルギーとなる円の半径は \[ k = \frac{\sqrt{2mE}}{\hbar} \] $k$空間でひとつの格子点がつくるメッシュの面積は$(2\pi / L)^2$なので、スピンの数の2をかけて、円の面積をメッシュの面積で割って、更に物質の面積$L^2$で割ると \[ \Omega(E)=2 \times \frac{2\pi m E}{\hbar^2} / \left(\frac{2\pi}{L} \right)^2 / L^2 = \frac{m}{\pi \hbar^2} E \] の様にエネルギー$E$以下の状態の数$\Omega(E)$が求まります。

基礎から学ぶ強相関電子系では、状態密度は単位体積(or長さ)の物を採用しています。 なので2次元の場合でも$L^2$で割る処理を行いました。 一方で1次元、2次元、3次元の状態密度まとめ(考え方と計算)などでは、そういう事をしていないので、結果が $L$倍、$L^2$倍、$L^3$倍となっています。 第一原理計算パッケージが出力する状態密度は、計算に用いたセル当たりの状態密度になっていますね。

後はこれをエネルギーで微分すれば良いです。 まとめると1次元、2次元、3次元の自由電子の状態密度は \[ g_{1d}(E)=\frac{\sqrt{2m}}{\pi \hbar}\frac{1}{\sqrt{E}}\\ g_{2d}(E)=\frac{m}{\pi \hbar^2}\\ g_{3d}(E)=\frac{\sqrt{2}m^{3/2}}{\pi^2 \hbar^3}\sqrt{E} \] となります。

3月21日 Ubuntu の upgrade が udev のところで止まる

数値計算用の Ubuntu マシンを定期的に以下のコマンドでアップデートしています。

sudo apt update
sudo apt -y dist-upgrade

そうすると、以前にもあった事なのですが udev の設定の途中で動作が停止してしまいました。 原因が分からなくて気持ち悪いのですが、dpkgやapt-get関連でエラーが出た時の対処法 を参考に場当たり的な対処をしました。

まず、止まってしまったターミナルを閉じます。 次に新しくターミナルを立ち上げて、以下のコマンドを順次実行して、再起動します。

sudo dpkg --audit
sudo rm /var/lib/dpkg/info/udev.postinst /var/lib/dpkg/info/udev.prerm /var/lib/dpkg/info/udev.postrm
sudo reboot

再起動した後は、以下のように udev の再設定から、通常のアップデートが実行できます。

sudo dpkg --configure udev
sudo apt update
sudo apt -y dist-upgrade

PCクラスタの中で、計算ノードは全てでこの問題が起こるのですが、管理系のマシンは同じ問題が起こるものと起こらないものがあって、何が原因なのか、分かりそうで分からない感じ。

4月20日追記 udev で止まる問題が解決

この問題は NIS との競合が問題だったようです。 解決策は udev reports error due to NIS usage に書いてある通り、以下のコマンドを端末に打ち込みます。

sudo mkdir /etc/systemd/system/systemd-udevd.service.d/
printf "[Service]\nIPAddressDeny=\n" | sudo tee /etc/systemd/system/systemd-udevd.service.d/override.conf

というか、この問題は自作クラスタ計算機:nisの基本設定 でも最後の方で触れられている問題でした。 こちらの解決策は、上手くいかなかったので、上記のコマンドを打ちましたが、本質的に言っている事は同じ?

3月18日 サーバルームのエアコン

計算機を置いているサーバールームのエアコン工事が完了したようです。 私の計算機はELSI-2の3階のサーバールームに置かせていただいているのですが、エアコンのシステムがフロア全体で共通になっているらしく、居室では暖房を入れて、サーバールームでは冷房を入れる、という事が出来ない問題がありました。 今回の工事で、これらの系統を切り離して頂いたので、つねに計算機をフルパワーで動かしても大丈夫そうです。 (別に今までも遠慮とかしてませんでしたが。)

3月17日 高校生向けWPIシンポジウム2020のYoutube動画

昨年12月26日に行った高校生向けWPIシンポジウム2020「WPIから世界トップレベルの研究者がやってくる!」の動画が Youtube にアップロードされたようです。 私の発表は、パラレルセッション2の29分ぐらいから始まる「地球中心核の熱伝導度と地球ダイナモ」というタイトルのものです。


私の発表:地球中心核の熱伝導度と地球ダイナモ

私以外の発表もhttps://youtu.be/lv3KNNOH1zEから視聴することができます。全部見るには6時間ぐらいかかりますが...

3月5日 美味サメフライ

地球生命研究所は石川台地区にあるので、普段はあまり出向かないのですが、今日は昼ご飯をたべに大岡山駅前にある「潮さい茶屋つかさ」に行きました。 すると見たことのないメニューが!

サメフライなる知らないメニューがあった
美味サメフライ 800円

どんなものなのか想像つかなかったので店員さんに「サメフライってなんですか?」と聞いたところ「サメのフライです」との事。 これは是非食べてみるしかない!!!

サメフライ
出てきたサメフライの定食

食べてみると、口の中でホロホロと崩れる繊細な食感。 味は白身魚のようであっさりしていて美味しかったです。 大岡山の飲食店は、どこもハイレベルですが、ランチで魚を食べたいときに「潮さい茶屋つかさ」はお薦めです。

2月18日 TAKI PLAZA

東工大に新しくできたHisao & Hiroko Taki Plazaに入れるようになったので、中を見てきました。






2月6日 ノイズキャンセリングイヤホン

ソニー製のワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM3 を購入してみました。 ノイズキャンセリングというものが初体験だったのですが、確かにノイズキャンセリングイヤホンをしてみると、日常生活にいかに雑音が多いのかが分かりました。 一方で、雑音が多いとはいえ普通に暮らしている間は特に気にならないので、私にはノイズキャンセリング昨日は必要なかったかな...という気もします。 コロナ禍が終わって出張できるようになったら、新幹線とか飛行機とかで試してみたいです。

1月25日 廣瀬研セミナー

廣瀬研究室のzoomセミナーで研究発表をしました。 先日の太田研究室での発表と同じ内容ですが、やはり発表すると疲れます。

1月22日 太田研セミナー

毎週参加させていただいている太田研究室のzoomセミナーで研究発表をしました。 発表スライドのクオリティは決して高くかったのですが、それでも発表準備は大変です。

1月19日 加湿器を買いました

アパートの空気乾きすぎ問題を解決すべく、近所のマツヤデンキで加湿器を購入しました。 既に持っていた最大加湿能力 300 ml/h のヒーター式加湿器ではパワー不足だと店員さんに伝えたところ SHARP の HV-L55-W (最大加湿能力 550 ml/h) を勧められました。 (というか店頭在庫で妥当なのはその1台しか無かった模様) お値段は 23,111 円(税込み) でした。 価格コムで最安値が 25,850 円 + 送料とのことなので結構お安く購入できたことに。

加湿能力はそれなりに高いようで、給水した水がどんどん減っていくのですが、それでも部屋の湿度は40%に達しません…。 まあ低い時で20%台だったのがコンスタントに35%オーバーするようになったので良しとします。 (たぶんエアコンの設定温度が高めなのも問題)

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以下、加湿器の選び方についてメモ

まずは湿度計を買う事。 とにかく部屋の湿度を確認しない事には始まらない。 適切な湿度は30-60%との事。 うちは20%台のときもあったので緊急度が高かった。

加湿方式には3種類ある。

  • スチーム式(加熱式)
  • 超音波式
  • 気化式

性能から考えればスチーム式(加熱式)で良いんじゃないでしょうか? 電気代がかかるのがデメリットとの事ですが、どうせ冬場は暖房を入れるでしょうし。 夏場に加湿器使わないですよね…。 (消費電力は最終的には熱になるんだろ?という雑な考え)

加湿性能の比較は、単位時間の加湿能力(たとえば 550 ml/h とか)または床面積目安(プレハブ洋室15畳 25 m2 木造和室9畳 15 m2 とか)で行う。 置き場の問題もありますが、雑に「大は小を兼ねる」でも良いんじゃないかな…と思っています。

加湿機能付きの空気清浄機という選択しもありますが、どうなんでしょうね? なんとなく水を入れて使う加湿器は、空気清浄機よりも製品寿命が短くなりそうな気がします…。

1月17日 湿度計を買いました

Amazonで湿度計を購入しました。 というのも少し前に超音波式の加湿器を購入したので、どの程度の効果があるのか確認したかったためです。

結果はなんと、一日で一番湿度が高い時でも35%程度…低い時だと20%台前半のときも。 ちなみに部屋の最適な湿度は40-60%という事なので、全然加湿が足りていませんでした。 新しく加湿器を追加せねば…。

なお、湿度計は2台購入して並べて置いておいたところ、ほぼ同じ湿度を示したので精度が低いという事はないと思います。 はるか昔に秋月電子の湿度計キットで酷い目にあって以来、湿度計の精度を高くするのは難しいという意識があったのですが…。 Amazonのレビューでも湿度計測のばらつきに関して言及されていますね。 このTANITAの湿度計の問題点をあえて挙げるとするならば、視野角が狭いです。

1月14日 靴を買いました

三朝に居た頃から履いていた靴が古くなり、雨の日に外出すると足の裏から濡れるようになってきたので、大岡山の北口商店街の靴屋さんで新しい靴を購入しました。 三朝は日本海側にあり、かつ、山に近いので、毎日薄曇りで降水リスクが常にある土地でした。 なので、表面が布ではなくビニール製の靴をこのんで履いていました。 布製の靴の場合、雨が降るとつま先の方から浸水してくるのですが、ビニール製なら小雨程度では浸水しません。 とはいえ、普通の靴なので毎日履いていると靴底はすり減っていきます。 それがとうとう限界に達して、靴底に穴が開いてしまったようです。 三朝に比べると東京は晴れた日が多いので、今回は普通の布製の靴を購入しました。 新しい靴はなかなか快適です。

それとは直接関係ないのですが、靴を購入したら、なぜかおまけとして謎のジュースをもらいました。

謎のジュース
表面に何の印刷もされていない謎のジュース

中身が何なのか?なぜ靴屋でジュースをくれるのか?なぜ何も印刷されていないのか?全てが謎のジュースです。

1月7日 あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。

新年早々、暗いニュースばかりですが、新型コロナウイルスの感染者数がいまだ増え続け、首都圏には緊急事態宣言がだされそうな様子です。 私の近所でも、最寄りの郵便局で窓口を担当されていた方がコロナウイルス検査で陽性反応がでたとのことで、1月4日から消毒作業が終わるまで業務休止になっています。 まだまだ厳しい状況が続いていきそうですが、健康に気を付けて過ごしていきたいと思います。

2020年

2020年の主な出来事

12月31日 年越しそば

本年はお世話になりました。 来年もよろしくお願いします。

年越しそば
年越しそば

12月28日 廣瀬研セミナー

廣瀬研究室のzoomセミナーを聞かせていただきました。 研究室内のセミナーなので、内容に関してはここに書けませんが面白かったです。 セミナーを聞くたびに、色々計算してみたいという気持ちが沸き起こるのですが、なかなか私の能力の限界で全部やれないのがもどかしいです。

12月27日 webページ制作について

ELSIには研究者が自分のwebページを公開するためのスペースが用意されているとの事。 研究者になる以前から個人webページを作ったり、サークルのwebページを作ったりしていたので、研究用のページを作ることに興味があり、折角なので手を付けてみました。 技術的な面で参考にしたのはいちばんやさしいHTML5&CSS3の教本 人気講師が教える本格Webサイトの書き方。 というか、ほとんどそのまま。

正直、コンテンツをどうするかは悩みました(現在も悩んでいます)。 履歴書(CV)と出版リストを載せるのが普通なのだと思うのですが、それはもうORCIDGoogle Scholarでいいんじゃないかな...と思っています。 というか、研究者の公募で履歴書を求められるヤツ、もうORCIDのIDを送るだけでよくならないかな...

デザインは凝ったことをすればするほど、読むのに目が疲れるサイトになりそうなので、シンプルに仕上げました。 ページ幅は900pxとしています。 【2020年10月版】デザイナー必読!Webサイト横幅サイズとファーストビューサイズなどによると950pxから1200pxあたりがスタンダードな様です。 私の使っているモニタの横幅は1920pxです。 ブラウザをモニタのサイズの半分で表示しても全てが表示できるようにあえて900pxという小さめの値を選びました。 (ブラウザを開いてる時ってたいてい調べ物をしてる時だから、全画面表示にすること無くないですか?) お手本のいちばんやさしいHTML5&CSS3の教本 人気講師が教える本格Webサイトの書き方からサイドバーを排したので、狭すぎるという印象は無いと思います。

12月26日 高校生向けWPIシンポジウム2020

アウトリーチ活動の一環として高校生向けWPIシンポジウム2020にて「地球中心核の熱伝導度と地球ダイナモ」というタイトルで研究紹介の発表をさせていただきました。

発表スライドの表紙

話す相手が研究者ではなく高校生、にもかかわらず発表時間は13分位しかない短時間。 地球生命研究所(ELSI)の代表として参加するからには、地球と生命の両方の話をしないといけないよな...と思うとなかなかハードルが高かったです。

なんにせよ無事に終えることができてよかったです。 肩の荷が下りたので、思わず30%引きのクリスマスケーキを買ってしまいました。

普段ケーキを買って食べる事なんてほとんどないのですが、食べてみるととってもおいしかったです。